採寸と靴作り

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 オーダー靴には、お客さま専用の靴型を作るフルオーダー方式と既存の靴型を補正するイージーオーダー方式がありますが、MADOROMI では主にイージーオーダーで靴をお作りしています。本投稿では、イージーオーダーで靴をお作りするときの採寸の手順と、採寸データに基づく一人ひとりに合わせた靴作りの説明をいたします。

快適に履ける靴を作るためのポイント

日本では、主にサイズ、つまりつま先からかかとまでの長さで靴を選んでいる方が多いと思います。靴屋の店員がフィッティングを確かめる際も、つま先の余裕しか確かめないことが大半です。しかし、靴を快適に履くためには、つま先に適度な余裕があることだけでなく、甲周りが窮屈でなく適度に合っている事、かかとが合っているか確認することも大切です。
人によって足の形は異なり、つま先からかかとまでの長さが同じ方であっても、平均より甲周りの長い方、短い方がいらっしゃいます。かかとのカーブや指の長さも違います。採寸では、人によって異なる足の形を調べます。

採寸

 お客さまの足の形を調べるため、お客さまの足を一度採寸させていただきます。採寸するときは必ずしもはだしである必要はありません。オーダーする靴を履くときの環境に合わせることが大事です。採寸のときとオーダーするときで履くものが違うとき(来店のときはストッキングだがオーダーする靴は靴下で履くなど)は、その旨お伝えくだされば、厚みの違いを考慮してお作りします。

 また、もし靴を履いていて特に靴が傷みやすい箇所や、足が当たる部分などがありましたら、ぜひ教えてください。お客さまが靴をはくときの癖がわかり、よりよい靴を作るための参考になります。
 採寸時は次のような項目についてお調べします。

  • 足の輪郭
  • お客さまに紙の上に乗ってもらい、紙に足の輪郭を写しとります。

    輪郭

  • 足囲など
  • 親指の付け根と小指の付け根を通り、メジャーをぐるりとまわした長さを測ります。(足の下にメジャーを通すのでくすぐったいのですが、少しの間だけ我慢してくださいね。)一般的にワイズ(足囲)とよばれるのはこの長さです。

    足囲

    大量生産の靴の場合は、サイズとワイズで寸法が決まります。しかし、実際にはワイズが同じ人でも、土踏まずが高い人や低い人、甲が高い人や低い人などさまざまなバリエーションがあります。なるべくフィットする靴をお作りするため、一番太い部分だけでなく、土踏まずの周りの細くなっている部分も測ります。

    足囲

    ほかにも足の特徴がよく表れる部位がありますので、周囲の長さを数箇所計測いたします。

  • あたりやすい箇所・すれやすい箇所
  • ほかにも何点か、長さを計測したりラインを調べたりします。ここで追加して計測する項目は、お客様の靴の悩みを聞いたり、作る靴の形状を分析したりして決めていきます。このお客様の場合は、かかとがすれやすいということでしたので、真横からみたときのかかとのラインを紙に写し取りました。

    平均的なかかとよりも直線に近いので、かかとで靴が止まらず、すれてしまいやすいというのがよくわかります。

分析

 採寸のときにとったデータを分析し、どの靴型を元にどういう補正をして靴を作るか考えます。

まず、一番長い指の先からかかとの端まで線を引きます(赤い線)。この線の長さが足長=サイズです。次に、親指の付け根と小指の付け根を通る線(青い線)を引き、足を前後に分けます。さらに、親指の付け根と小指の付け根それぞれから、最初に引いた線に垂直に線を引きます(オレンジの線)。この二つの線の間の距離の長さを踏み付けと呼びます。
 足型は、基本的にこの線より後ろの部分に合わせて、後ろの部分の長さ・ワイズ・かかとのカーブにあうものを選びます。前の部分が後ろに比べて平均より長い場合、たとえば指が長い場合については、革などで既成の靴型を補正してあわせます。かかとのカーブに比べてワイズが広い場合も、かかとのカーブのほうに靴型を合わせ、ワイズに関しては靴型を補正して対応します。前の部分が後ろに比べて平均よりも短い場合は、イージーオーダーでは靴型を削ることはできないため難しいのですが、工夫して合わせていきます。
 既存の靴型の補正では快適な靴を作るのが難しいとなった場合には、専用の靴型を作るフルオーダーになります。ただし、フルオーダーまでしなければならないことはそれほど多くありません。

試し履き

一部の靴型については、補正する前の既成の靴型で作った試し履き用の仮靴をご用意してあります。

きちんと採寸し、分析して元にする靴型を決めても、実際に履いてもらうと違う靴型のほうがあっていたということがわかることがあります。羽根がぴったりしまらず開いてしまう場合は、より大きな靴型を選ぶ必要がありますし、甲周りに余裕がありすぎる場合は、より小さな靴型を選ぶ必要があります。イージーオーダーだけでなく、石膏で足型をとるフルオーダーでも、静止した靴の形状しかデータとして取れないので、こういうことは起こります。フィットする靴を作るのは難しいものです。

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